スペース・ファンタジー・ザ・ライド(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)

長さ585m/高さ19m/最高速度40km/h 

Mack Rides/Spinning Coaster

 2009年にクローズしたE.T.アドベンチャーの後釜として1年後の2010年に登場した屋内型コースター。僕も大好きだったE.T.アドベンチャー。USJのオープン当初からのメインアトラクションをなくしてまでオープンした、映画がテーマでもなく、謎のオリジナル設定のディズニーもどきなアトラクションに対する風当たりはかなり強かった。

 屋外の待ち列はE.T.時代と同じく、建物前の屋根があるだけのかなり味気ない場所。カバンなどの手荷物は全てロッカーに預けないといけないが、携帯電話などポケットに入る範囲ならOKなので、預けてしまわないように注意。かなり暇になってしまう。ちなみに、このロッカーは後で返却されるが、100円玉が必要。おそらく、ハリー・ポッターと違って、誰でも使える場所にあるから。

 乗車中の写真撮影はないのだが、なぜか待ち列の途中でグリーンバックを使った合成写真をグループ1枚撮ることになっている。乗車中でもなく、有名キャラがいるわけでもなく、かなり謎。僕は毎回、丁重にお断りしている(笑)。しかも、人員削減の為か、撮影が実施されずに緑の部屋も待ち列の一部になっていることもあるので、よくわからない。

エントランスの看板
かなり味気ない屋外の待ち列
待ち時間が長いと、辛い
グリーンスクリーンが置かれたブースが3つあり、
かなり謎な記念撮影を行う

 写真撮影後、また10分程度の待ちがあり、最初のプレショーとなる。最初の部屋は、屋外の待ち列を壁で仕切っただけの場所。G-Botという通信衛星が登場する。かつては、アームの先に顔がついたアニマトロニクスだったが、2019年には、モニターに顔が映されるだけに変更されている。その後、屋内に入り、2つ目のプレショー。クリスタルの中にコスミア姫が登場し、エネルギーを失いつつある太陽を救うために、ミッションに挑むことになる。プレショーの展開が面白くなさすぎて、誰も聞いていないという事態がしばしば発生するのが残念。まぁ、ストーリーを把握しようがしまいがあまり変わらないのだが。また、2019年に、ここのクリスタルも撤去されて、壁に映像が投影されるだけに変更されてしまった。

 2つのプレショーの後は、宇宙基地を模した屋内の待ち列がある。ここまで来て、まだ結構長いのだが、雰囲気は好きだ。シャトルポートと呼ばれる乗り場に着くと、ようやくライドに乗り込み出発となる。車両は横2人で座り、背中合わせに4人乗り。安全装置は腰のバーだけ。それが2両編成となっている。3人以上のグループだと、離れて座ることになる確率が高い。短い編成だが、乗り場がベルトコンベアになっており、次々に発車していくので、回転率は良い方だろう。待ち列もコンスタントに進む。

ただのモニターに変更されたG-Bot
背中合わせに4人乗りの車両
乗り場の足元がベルトコンベアになっている

 惑星や隕石などがある宇宙空間を模した空間をライド自体が回転しながら、走っていく。レイアウトの詳細は避けるが、天井ギリギリまで上昇する巻き上げが3回もあり、限られた空間にコースが張り巡らされているのでボリュームがある。車両の回転も制御されたものではなく、人数やバランスによって回転の動きが変わり、毎回、違った動きをするので、予測不能で楽しい。そして、意外と激しい。また、しっかりと体が浮く部分もいくつかあるので、コースターとしてはかなり良質。万人が楽しめるように仕上がっている。座席の正面中央に赤いボタンがあり、コースの最後、太陽にエネルギーを注ぎ込む際に使用する。この太陽のシーンも賛否あるようだが、僕は気に入っている。太陽を抜けると、ブレーキ。コスミア姫からの祝福があり、シャトルポートに戻ってくる。乗車したのと同じ場所で、反対側に降りて終了となる。

 プレショーの2つの変更に加え、エントランスの噴水が撤去されたりしたのは、期間限定で運営されるXRライドに合わせたものだと考えられるが(実際、1年のうち数ヶ月しか今回紹介しているオリジナルバージョンでは運営されていない)、壊れた仕掛けが直されずに撤去されてるだけのようにも見え、アトラクション自体のクローズ説も根深い。

かつて存在した惑星を模した噴水
エネルギーを失いつつある太陽に変更されている
取り外しが簡単な仕様になっている

 気がつけば、E.T.が存在した期間よりも、長く運営されているわけで、最初は反対派だったが(今でも残念には思っている)、アトラクション単体で見ると、決して悪くない、むしろ、かなり楽しいし、現存する屋内コースターの中ではスペースマウンテンと並ぶトップクラスのコースターだと思う。特に若い層を中心に、人気が次第に確立してきているように感じられるし、(E.T.を知らない世代も多くなってきたから)、個人的には、しばらく残してもらいたい。絶対に不可能だが、両方のアトラクションが存在する世界線があれば、最高だったに違いないが。


A−


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