ミニオン・ハチャメチャ・ライド(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)

 開業当初からの人気アトラクションだったバック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライドを魔改造して、2017年4月にオープンした「怪盗グルーの月泥棒」シリーズをテーマにしたシュミレーションライド。ハリウッドやフロリダでは、シネマ4Dのような普通のシアターに24機の小型ライドが並べられているシステムが採用されているのに対して、日本ではバック・トゥ・ザ・フューチャーのライドシステムがそのまま転用されており、超大型のドームスクリーンに対して3層にライドが配置されている。実際に、僕はハリウッドのバージョンにも乗ったが、日本バージョンの方がはるかに迫力があった。しかも、5Kが採用されているので、驚くような高画質だ。3Dメガネをかけなくても、立体感を感じるし、自分がアニメの中の世界に放り込まれたかのような違和感さえある。ライド本編の構成も実によくできていて、ただ楽しいだけでなく、映画シリーズと繋がるような家族のドラマが展開されて、油断すると、泣きそうになってしまうほどだ(大げさではなく、実際に泣いてしまったこともある)。

 ただ、完璧なライドでは決してない。まず第1に、システム上どうしようもないことだが、どの車両が当たるかによって当たり外れが大きすぎる。まず、待ち列の途中で1階、2階、3階に振り分けられる。もちろん、2階がベストだ。次に左右2つあるどちらのスクリーンか(これはどちらでも同じ)、そして、プレショーの部屋に入る時に、何番目の車両かが指定され、車両ごとにそれぞれ列を作って、3つあるプレショーを見ていく。ここで真ん中の車両が当たるかが重要だ。ベストはもちろん2階の真ん中だが、1階でも3階でも、スクリーンに対して真ん中であれば、悪くない。一番最悪なのは3階の端。席によってはスクリーンが半分ぐらいしか見えないところもある。これでは肝心の内容が良くても、興ざめだ。

 そして、もう1つはプレショーが長すぎること。5分間のプレショーが3つもあるのだ。ハリウッド版では2つだが、日本版ではライドに乗る前の小部屋で、もう1つ追加のプレショーがある。つまり、本編を入れると、20分もかかるのだ。2番目の部屋は重要な伏線や匂いの仕掛けがあって楽しいのだが、1つ目と3つ目は映像を見るだけ。なので、初見の時は楽しかったし笑えたけど、何度も乗っていると、さすがに飽きてくる。

 バック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライドは映画も含め、本当に大好きなアトラクションだったので、恋しくなる気持ちが正直、まだどこかに残っている。ただ、営業終了前の最後の方は、映像が明らかに暗すぎたし、ライドの動きがガタガタと激しく、素人目にもオカシイと思えるレベルに達していたので、古臭いと思われても仕方なかったと、理解もしている。ミニオン・ハチャメチャ・ライドではその点、全てクリアになっている。子どもはもちろん楽しいし、それだけでなく、大人が楽しめる要素もある。バック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライドほどの金字塔とは言えないが、実に良質な、誰もが楽しめるアトラクションになっていると思う。


B+


アトラクション前がミニオン・パークとしてエリア化された
ショップやゲームコーナー、触って楽しめる仕掛けなどもあり、
パーク内で一番混雑するエリアになっている
英語のアトラクション名も掲げられている
正直、日本語名はセンスがないと思う
待ち列やプレショーの部屋は少し狭い感じがするが
映画にちなんだプロップスが多数、配置されている


絶叫番長

全国の遊園地やテーマパークを訪れ、ジェットコースターをはじめ、アトラクションのレビューをしています

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