ルスツリゾートのマウンテンコースターや那須ハイランドパークの悟空と並ぶ、明昌製の「回転がないのに、なぜ肩掛けハーネスなの?」系キャメルバックコースター。北海道グリーンランドの入口からゆったりとした坂道を登っていくと、大観覧車がある高台に出る。おそらく全盛期は数多くのライドがひしめいていたのだろうが、今はガランとしている。その中でも、轟音は一番奥に位置している。今は駅舎は錆や汚れが目立つし、お世辞にも状態が良いとは言えないが、北海道グリーンランドのメインアトラクションとして作られたのは間違いない。カラフルに塗り分けられているコースは、過去の写真を見ていると、ピンク一色、黄色一色だったことがあるようだ。駅舎の前に置かれた赤い車両はその頃に走っていたもののようだが、かなりボロボロで見栄えがあまり良くない。現役の車両は緑色で、2×2の4人乗りが6両編成。座席が深く、ゴツい肩ハーネスが付いた、ある意味、定番とも言えるような造り。
駅舎前に古い車両が置かれている
錆や汚れの目立つ駅舎
乗り場の様子
日本製コースターのド定番
朝から天気が悪い予報だったので、園内には僕以外に本当に人が全くいない状態(人間よりもカラスの方が多くて、コースターのコース上にも沢山とまっていたのには驚いた)だったが、轟音の乗り場ではオネエのような陽気なオッチャンが明るく迎え入れてくれた。僕が轟音に最前列で1回乗った後、「連続で後ろ乗っていいですか?」と聞いた途端にゲリラ豪雨が降り出して、営業が中断した。先ほどのオッチャンに「タイヤブレーキだから、乾くまで無理だよ。雨が止み次第、急いで拭くからまた戻ってきて」と言われた(北海道グリーンランドの公式Youtubeチャンネルに上がっている轟音の乗車映像に、やたら声の高い人がいるんだけど、おそらくこの方)。その後、ミステリーマンションというお化け屋敷に入ったが、それも虚しくなり、ゲームコーナーの一角にあるベンチで雨宿り。その間、誰一人として人間を見かけなかった(笑)。しばらくすると、急に雨が止み、そこからは心が洗われるような快晴になった。オッチャンが沢山あるタイヤを1つ1つ丁寧に拭いていく様子を目撃したりもしながら、午後になり、運転再開。2回目は1番後ろに乗った。
地方の遊園地で楽しいスタッフさんに会えると嬉しくなる
轟音のコースにとまるカラスとゲリラ豪雨の雲
前置きが長くなってしまったが、コースレイアウトを紹介したい。まずは緑のパート。かなり遅い巻き上げを上ると、大きく左に旋回。この旋回時の振動がとんでもない。耳障りな音を立てながら(まさに轟音)、ブルブルと細かく振動し、まるでマッサージ機のようだ。飛行機とバスを含めた長時間の移動で肩こりがひどかったのだが、轟音に乗っている間だけは少しマシになった。ウソみたいな話だが、本当だから笑ってしまう。そのまま、ファーストドロップ。助走がついているので、迫力がある。最下部での振動もかなりのものだ。後方では、引きずり込まれるような浮きがちゃんとあった。続いて、オレンジ色の大きなキャメルバック。先頭だと、最上部で後ろから押し出されるような浮きがある。さらに水色のキャメルバック。上りながら、左へ少し方向を変えるのだが、ここでもちゃんと浮きがあった。肩ハーネスは邪魔だし、激しい浮きではないが、ちゃんと気持ちの良い浮きが連続するので、好感が持てる。他の明昌製キャメルバックコースターにはないことだ。
かなり遅い巻き上げ
自然と一体化している最初の旋回
振動はかなりのもの
迫力あるファーストドロップ
オレンジ色の大きなキャメルバック
奥にはスキー場が広がる
水色のキャメルバック
最初は奥側、折り返してきて前側を進む
続く黄色パートは少し上昇しながら、左へ旋回。そして、ドロップ。さらに2度目の水色キャメルバック。今度は真っ直ぐなキャメルバックになっていて、また浮きがある。そして、2回目の緑のパート。森に突っ込んでいくように右に旋回。ここもまたかなりの振動がある。緑はブルブル。振動が長くて結構辛い。折り返して、黄色のキャメルバック。ここは頑張って乗り越えるという感じで、浮くまではいかない。最後にオレンジの水平ループ。下りで1周半するが、また振動もあり、長く感じる。ここは消化試合といった雰囲気。水平ループを抜けると、水色のコースを上っていくが、途中、タイヤブレーキが沢山あり、少しずつ減速して駅舎に戻る。
黄色パートでは少し上昇しながら、左へ旋回
2回目の水色キャメルバック
森に突っ込んでいくように右旋回
ここもまた振動がかなり激しい
黄色のキャメルバック
オレンジ色の大きな水平ループ
大量のタイヤブレーキで減速
個人的には先頭車両がオススメ。後ろから押し出されるような浮きを楽しめる。最後尾だとファーストドロップはより迫力があるけど、全体的には長くメリハリがないように感じてしまうかもしれない。振動が激しすぎるというマイナス要素はありながらも、1番前も1番後ろも意外なほど楽しめたし、傑作とまでは言えないが、隠れた良作に認定したい。
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