サイクロン(としまえん)

長さ882m/高さ18m/最高速度65km/h/最大傾斜45度/トーゴ

 1965年にオープンした日本のクラシックコースターの代表格。トーゴ製のシンプルなキャメルバックコースターで、スペックだけ見ると物足りない感じがするが、周囲の地形を生かしたレイアウトが楽しく、大人から子供まで安心して楽しめるコースターになっている。

 丸太をくり抜いたようなシンプルを極めた車両が4人×7両と少し長めの編成で、走行しているのを見ていると、園内を丸太が丸ごと飛び回っているような異物感があり、なんだか可笑しい。安全装置はシートベルトのみ、安全バーもないので開放感がある。2人で1つのシートベルトなので、1人で乗った場合は乗り口から奥側に座るように指示された。一番変わっているのは、シートが電車の座席のような質感でふかふかな事。しかも、コースターに乗り込むと、古い旅館みたいな匂いがした(笑)。

乗り場と降り場が縦に並んでいるので、大きな駅舎
駅舎の割には乗り場への階段が地味でわかりにくい
丸太をかたどった車両には安全バーがない
茶色のふかふかシートがレトロ

 乗り場を出発し、高さ18mの巻き上げ。園内の真ん中にあることもあってか、実際の高さよりも、高度感が意外とあった。頂上には昔の名残だろうか、手動ブレーキと監視員が立つ為のスペースがあった。駅舎自体もとても長細く、乗り場と降り場が別になっていることからも、最盛期には何台も同時運転していたのだろうと思う。今は1台しか走らせていないが。

 そのまま、右に90度曲がり、ファーストドロップ。傾斜は45度と控えめだが、建物と木々の間を落下し、しかも、フェンスに囲まれたピットに突っ込んでいくので、迫力があった。すぐに緩やかに登り、少しまっすぐに進んだ後、セカンドドロップ。ここも決して浮いたりせず、緩やかな流れだが、ドロップの最下部はフェンスに囲まれており、なかなかの迫力。また、同じような緩やかな傾斜で登りつつ、川を渡る。

園内の真ん中に位置し、印象的な巻き上げ
支柱の形が特徴的で、まさにオシャンティ
建物と木々に挟まれた迫力のファーストドロップ
最下部がピットになっている
ファーストとセカンドの間はキャメルバックとは
さすがに言えない緩やかな流れ
またフェンスの間に落ちるセカンドドロップ
緩やかに坂を登り、川を渡る

 川を渡ると、プールがあるエリアへ。プールとフリュームライド(急流すべり)に挟まれて、ドロップし、キャメルバック。ちょっとした浮きがあり、エアタイム厨的にはここが一番楽しい部分かもしれない。続けて、2つ目のキャメルバックはM字のような形になっている。先ほどに比べると弱いが、頑張れば、浮ける。

 次がサイクロン最大の山場。左にぐるっと大きく旋回しながら、トンネルを進む。このトンネルは入り口からして、木々に覆われていて、どう見てもヤバイ感しかないが、中もひたすら真っ暗。おそらく日本にあるコースターの中で一番長いトンネルではないかと思う。長すぎて、思わず笑ってしまうほどだ。あまりにも気になるので、Google Mapで調べたら、どうやらプールのロッカー等がある建物の地下を走っているようだ。

 トンネルを抜けると、また川を渡って、遊園地側へ戻る。この橋が遠目に見たら、ジェットコースターが走る橋とは思えないほど、普通に真っ直ぐなのが面白い。その後、少し上昇し、ブレーキで減速しながら、高架を進み、駅舎へと戻る。全長882mだが、周囲の環境を生かした展開が多くて、盛りだくさん。過度に激しいわけでも、子供向けで緩すぎるわけでもない、純粋に楽しいコースターになっている。

川を渡る珍しいコース展開
青色がサイクロンで茶色はフリュームライドのコース
プール沿いにキャメルバックは浮きがある
緑に囲まれたトンネルへ入っていくコース
都市部のはずなのに神隠しにあいそうな雰囲気
長いトンネルから出てくると、
真っ直ぐな橋を渡り川をまた越える
遊園地のエリアに戻ってきて、高架を進み終了


B+


絶叫番長

全国の遊園地やテーマパークを訪れ、ジェットコースターをはじめ、アトラクションのレビューをしています

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