ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド〜バックドロップ〜(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)

長さ1267m/高さ44m/最高速度89km/h/最大傾斜59° 

 Bolliger&Mabillard/Hyper Coaster

 2013年に登場したハリウッド・ドリーム・ザ・ライドの後ろ向きバージョン。登場の経緯などは「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?」といった森岡毅氏の著書に詳しい。またその影響で、熱狂的な信奉者がいるのも理解しているが、正直言って、後ろ向きコースターはそこまで珍しくないし、安全上難しいと反対された、ハリーポッターのエリアがオープンする前年でお金がない中での苦肉の策だった、最初は期間限定の予定だった等、どう考えても盛っている要素が多いのも気になるので、これ以上、そこには深くは言及しないでおきたい。それでも、B&Mのハイパーコースターに後ろ向き車両が導入されたのは後にも先にも、これだけだし、前時代的ではないスムーズで爽快な浮くことを主力としたコースターに導入されている例としても珍しく、オリジナリティある面白いコースターなのは間違いない。

 バックドロップに乗った結果、フォワード(前向き)の方が面白かった、という人は実は多い。僕の周りでもフォワード派が多数だ。待ち時間はバックドロップの方がいつも長いが、1台しかないという回転率の悪さを考えても、実際に並んでいる人数は、いつもフォワードの方が圧倒的に多く、実質的な人気はフォワードの方が勝っているのは間違いない。よく言われるのは、「バックドロップは巻き上げだけが怖い」という感想だ。そして、それはある意味、事実だ。腰のハーネスだけで支えられた状態で、急角度を登っていく巻き上げはコースター慣れした人間でもゾクッとしてしまう。だが、それだけでは決してない。ファーストドロップでの背面から浮き上がるエアタイムは前代未聞の感覚。不謹慎な例えだが、まさに飛び降りでもしているかのようで、初めて乗った時は生死の不安さえ覚えたほどだ。その後のキャメルバックでもフォワードと変わらず、気持ちよく浮いてくれる。

 フォワードと比較してデメリットをあげるなら、かなり酔いやすいことだろう。ホースシューやダブルヘリックスはかなりのプラスGがかかる上、後ろ向きだと待ち構えることができないので、余計にキツくなる。特に1列目は正直、オススメできない。浮きも弱ければ、Gも強く、僕も酔ってしまった。乗るならやはり8列目が圧倒的に一番だ。まさに別次元の体験をすることができるのだが、列は選べず運次第。運によって体験価値が大きく変わってしまうのは難しいところだが、非常に残念なポイントだ。


A


入り口は同じ。キューラインの途中で分岐する
乗り場の様子
車両自体は前向きと全く同じ
後ろ向きでの巻き上げからのファーストドロップは強烈
ホースシューとダブルヘリックス
かなり強いプラスGがかかるパート


絶叫番長

全国の遊園地やテーマパークを訪れ、ジェットコースターをはじめ、アトラクションのレビューをしています

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