長さ1267m/高さ44m/最高速度89km/h/最大傾斜59°
Bolliger&Mabillard/Hyper Coaster
2007年のオープン当初は『テーマ性が薄い』『景観を損ねる』等と随分と叩かれていたように思うが、今となっては、USJのメインアトラクションと言っても過言ではないB&M製のハイパーコースター。かくいう僕も、ランド・オブ・オズ(現在のワンダーランドの位置にあったオズの魔法使いをテーマにしたエリア)にあるトイレ前の隙間から建設現場を眺めながら、なぜここにジェットコースターを作るんだ、と憤りを感じていた”映画のテーマパーク”過激派だった。だが、実際に完成して乗ってみると、あっさりと手のひら返し。あまりの面白さに感動して本格的にコースターに目覚めてしまった。その上、2019年に白鯨に乗るまで、ずっと僕の中では国内No.1の座に君臨し続けていたのだ。今までにないスムーズな乗り心地と内臓まで浮き上がるとんでもないエアタイムの連続、既存の建物や風景の中を違和感なく駆け抜けるレイアウトの妙、そして、オンボードオーディオを選ぶことで常に新しさを感じられる仕様、激し過ぎず、ヌル過ぎず、元気な時も、遊び疲れている時も楽しめる絶妙なバランス感覚をもった素晴らしいコースターだ。
ハリウッド大通りに面した入り口
パークエントランスから近いこともあって常に大混雑
待ち列の様子。回転率が良いので、列は動き続けるが、
造り込みが一切ないので割と退屈してしまうのは唯一の難点
快適さを極めた車両
体がすっぽり収まるようなシート
車両は4人×8列の大型で、座席はかなり深く、すっぽり体を包み込まれるような形で、足が床につかないようになっている。安全バーも体にフィットするような形で、違和感ゼロ。また、この安全バーには、1〜5番まで5曲の中から乗車中に流れる音楽(ドリームトラック)を選択するボタンが付いている。
当然のことながら、座席位置は選べないのだが、個人的にはやはり最後尾が圧倒的に一番オススメだ。もちろん、他の列でも楽しいのだけど、車両が長いおかげで、ドロップのたびに、ムチのように振り下ろされる動きとそこから生まれる段違いのエアタイムを楽しむことができる。最高の座席だ。乗り場はツインプラットホームになっており、基本的に常時3編成。後ろ向きを加えると、4編成がコース上を走っており、回転率はかなり良いので、待ち時間が長くても常に列は動き続けるので、気持ち的に少し楽だ。
ここからはコースを順を追って見ていきたい。
レーザー砲でも撃てそうな形をした巻き上げ
このカバーが視覚的に楽しさを盛り上げるのは意外
迫力あるファーストドロップ
後方だとかなり浮く
下がバックヤードになっている為、高さに比べて落差はあまりない
パークエントランスと見事に一体化したキャメルバック
これで往復ともに綺麗に浮くのだから、スゴイ
ホースシューと呼ばれるエレメントでプラスGに転換する
ここも入り口横のバックヤードの上にあり、高さを感じる
エントランスを再び越えると、ハリウッド大通り沿いに
2回キャメルバックがある。楽しいパート
反対側ワンダーランドの方から見た様子
この1つ目のキャメルバックがとんでもなく浮く
上の看板の部分がブロックブレーキになってる
折り返してきて、下のトンネルへ
ブロックブレーキ後、セントラルパークに突入
このドロップは周囲の景色が素晴らしく、迫力がある
セントラルパーク内のダブルヘリックス
かなり強いプラスGを感じる一番ハードなパート
そして、トンネルへ入りフィニッシュとなる
この辺りも非常に複雑な挙動をしているが、
乗っていて違和感は全くない
このアトラクションが他のUSJのアトラクションに比べて、『テーマ性が薄い』のは間違いない。一応、パーティ会場(キューライン)からハリウッドの空を駆け抜け、映画のプレミア会場へ向かう(最後のトンネルの光はパパラッチのフラッシュをイメージ)、というストーリーは存在したはずなのだが、ほとんど言い訳のような感じで、実際には、特にキューラインや乗り場にそれらしい造り込みがあるわけではない。だが、決して『景観を損ねている』ことはないと思う。むしろ、ないと寂しいぐらいだ。ハリウッド・ドリームがないUSJのエントランスなんてもはや考えられない。加えて、B&Mのコースターとしても他に類を見ないぐらいの静音性を保っている。既存の建物に合わせた複雑なコースを違和感なくスムーズに走り抜け、それでいて静か。しっかりと浮くところは浮き、プラスGを感じるところもあるメリハリを10年以上も保ち続けているのは、とてつもなく高い技術力だ。
A+
最後にドリームトラックの個人的な歴代ベストとワーストを紹介しておきたい。
BEST5
1、「ワタリドリ」〔Alexandros〕(2016/4/11〜2016/11/7、2017/6/26〜2017/9/3)
爽快な曲がベストマッチでただ最高だった。再搭載が待たれる一曲。
2、「On Our Way」ザ・ロイヤル・コンセプト(2016/3/18〜2017/4/23)
15周年テーマソング。巻き上げからのファーストドロップは鳥肌が立つほどピッタリ。
3、「大阪LOVER」DREAMS COME TRUE(2007/3/9〜2011/12/31、2017/6/26〜)
ハリドリといえばの曲。個人的にも一番、聴いていて、思い入れがある。
4、「Battery」SMAP(2013/3/15~2016/4/10)
SMAPとのコラボ曲。SMAPの曲としてもカッコよくて一番好き。
5、「コスメティックコースター」きゃりーぱみゅぱみゅ(2016/3/18~2016/6/26)
XRライドのために作られた曲だが、こちらの方がしっくりきていた説。
WORST5
1、「名探偵コナン メイン・テーマ」大野克夫(2017/1/13~2017/6/25)
同じメロディをひたすら繰り返すだけだし、曲調がコースターに全く合っていなかった
2、「心臓を捧げよ!」Linked Horizon(2017/4/10~2017/6/25)
曲がガチャガチャしすぎだし、リヴァイ兵長の熱いメッセージも正直、ウザかった。
3、「スリラー」マイケル・ジャクソン(2009/9/3~2009/11/3)
追悼企画で急遽、搭載された。ただ流しているだけで、全く合っていなかった。
4、「ゲット・バック」ビートルズ(2007/3/9~2011/3/2)
初期のハズレ枠。音量が小さ過ぎて周りの座席の音にかき消される悲劇。
5、「僕は本気だ。君も本気だ。レッツ・リ・ボーン!」松岡修造(2016/6/27~2017/3/4)
「On Our Way」に載せて松岡修造の熱いメッセージが流れる。邪魔でしかなかった。
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