Big Grizzly Mountain Runaway Mine Cars/HongKong Disneyland
2013年にオープンした香港ディズニーランドとしては初めて追加された大型のスリルライドで、ここだけのオリジナル。大きな枠で言えば、香港版ビッグサンダーマウンテンであり、ライドシステムはアニマルキングダムのエクスペディション・エベレスト、モチーフはカリフォルニア・アドベンチャーのグリズリー・リバー・ランと、良く言えば、良い所取り、悪く言えば、寄せ集めのようなアトラクションだが、実に良く出来ている。どう考えても、大人気アトラクションになりそうなのだが、なぜかいつ行っても5分待ち。もちろん、回転率がかなり良いのもあるのだが(ビッグサンダーマウンテンと同じぐらいだと思う)、それにしても、広いキューラインのほとんどをウォークスルーするだけなのは、なんだか寂しいものがある。
一つ一つの車両は2人×3列なので大型だが、4両編成と短め。シンプルなラップバーのみでシートベルトはなし。先頭車両の1列目だけは、乗り場に別の列が用意されているので、希望すればそこに並んで待つことができるようになっている。僕は基本的に運に身をまかせるタイプなので、こだわりなく乗っていたが、4回乗って、それぞれ違う場所だったけど、乗り味はそれほど変わらなかった。ただ、ヘッドレストがかなり高めなので、どうせ乗るなら各車両の1列目が視界が広くて、造形もよく見えるので楽しい。
このコースターは大きく3つのパートに分かれている。1つ目は普通にまっすぐ進むパート。巻き上げとともに、トンネルに入って行くと、グリズリーのアニマトロニクスがいて、正しい炭鉱から、危険な炭鉱にポイントを切り替えられてしまう、という定番の展開。このグリズリーの動きがどう見ても、間寛平の「かい〜の」にしか見えない(笑)。トンネルの中でドロップ、その後、外に出てしばらく進むが大きなドロップはなく、S字カーブをぐんぐん進む。エアタイムなど皆無だが、固定装置がバーだけなので、結構、振られて、お尻が左右に滑ってしまう。小さい子どもだと、さらに動いてしまうと思う。
2つ目は一番有名なパート。大きな巻き上げがあり上って行くのだが、その途中で、プツンとケーブルが切れてしまい、逆走し始めるのだ。ちゃんとケーブルが切れる演出もあるのが面白い。ただ、このパートはかなりヌルい。後ろ向きに走る、という面白さだけで、ほとんどスピード感もなく、意外性のある動きもないので、途中で飽きてしまった。期待しすぎたというのが正直な所。
そして、山場となる3つ目のパート。またトンネルに入り停止すると、干された魚を取ろうとするグリズリー親子がいて、その足元にはダイナマイトの起爆装置が。案の定、グリズリーは起爆装置を押してしまい、大爆発。コースターは前向きに急発進する。2つ目のパートで、少しガッカリしたせいか、この急発進が予想以上でビックリしてしまった。むしろ、この為のメリハリに過ぎなかったのだ。コース自体は今までと変わらず、旋回が中心なので、エアタイムこそないのだが、想像以上のスピードで間欠泉や鉱山の造形の間を駆け抜けるので、かなり爽快で楽しくて、思わず笑いが起こってしまうほどだった。
ベコマ製のコースターとしては一番じゃないかと思うほど、乗り心地も良く、むしろ、スムーズすぎて、物足りなさすら感じるぐらいだが(特に2つ目のパート)、総じて、バランスが良く、大人から子どもまで、絶叫好きから嫌いな人まで間違いなく楽しめる、ディズニーらしい非常に優等生なコースターだった。
A
パークの奥地。グリズリーガルチという専用のエリアにある
エントランスの様子
ビッグサンダー風なキューライン
薄暗い乗り場。特に凝った作りではない
シンプルで良い車両。ヘッドレストの高さだけが難点
大きなドロップのないコースが並んでいる珍しいレイアウト
後ろ向きから、前向き急発進への折り返しポイント
ハイスピードで間欠泉を駆け抜けるのが楽しい
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