ザターン

スペースワールド

長さ400.3m/高さ62.6m/落差60.2m/最高速度129.2km/h/最高傾斜88.9°

Intamin Amusument Rides/Accelerator Coaster

 2006年にオープンした日本初のインタミン製アクセラレーター。最近、出来たというイメージだったけど、もう10年も経っている。乗りたいと思いながらも、その間、全く行動を起こさなかった自分にビックリする。閉園目前にしてついに乗ることができたのだけど、大きく膨れ上がった期待を裏切らないコースターだった。テレビでよく紹介されているアメリカのトップスリルドラッグスターやキンダカに比べると高さや速度はかなり劣るのはわかっているけれど、今までにない感覚をついに味わうことができたのだ。

 まず、その見た目が美しい。スペースワールド駅を降り、歩道橋を越えた瞬間、日常に立ち現れる異物感がスゴイ。行って帰ってくる、そのシンプルさが、変な小細工のない洗練された雰囲気が僕の好みにピッタリきている。ずっと見ていられるようなシンプルな美しさと存在の異様さ、その圧倒的な存在は恐ろしさを感じるほどだ。

 このコースターにもちゃんとスペースワールドらしい設定がある。宇宙病『GNS』(Genki Naqnaru Syokogun)を治療・予防するための大型医療機器の一種なのだ。乗り場は病院の処置室になっていて、治療のためにコースターに乗り込む。発進前も心臓の音が鳴っている。乗り場から急加速は始まるのだが、サンダードルフィンなどでお馴染みのワイヤーに引っ掛ける動きがある。と同時に、心停止したような「ピー」という音。治療のはずが死んでしまってるじゃないか、といツッコミをする間も無く、急発進していく。ワイヤーを高速で巻き取る方式なので、一気に速くなるというよりもグングンと加速していく感覚。1回目は普通にハーネスを持っていたが、2回目はスタッフにオススメされた乗り方(手のひらを上にして力を抜き、膝の上に置く)をやってみると、加速時に強力な浮きが発生。背もたれに体が押し付けられる格好で、体が浮くという今までにない感覚に興奮した。その後のほぼ直角の急上昇も迫力があり、トップハットでの開放感(チョイ浮きあり)、そして急降下と非常に爽快だ。最後になだらかなキャメルバックがあり、終了。ただ、それだけだ。だが、それだけなのが良いのだ。

 このコースターが閉園とともに失われてしまうと思うと、本当に悲しい。もっと早く乗りにいくべきだった。スペースワールドの閉園が食い止められるのがベストだけど、それが無理なら、このコースターだけでも、移設して欲しい。ローラーコースターという枠に収まらず、その存在そのものが今までにない崇高なものに思えてきてしょうがないのだ。


A+


日常に現れる異物ザターン
他のアトラクションとは少し離れたザターンのエリア
最後のキャメルバックをくぐり乗り場へ
細かい設定の書かれた案内看板
冷静に考えると、よくわからないんだけど
待ち列の様子
1回の乗車時間が短いので、列は割と進む
急発進の様子とそれを見守る小学生たち
こんな角度でも怖さよりも爽快感が勝るので、皆、笑顔に
園内でもその存在感は圧倒的

ザターンと若戸大橋

おまけ


絶叫番長

全国の遊園地やテーマパークを訪れ、ジェットコースターをはじめ、アトラクションのレビューをしています

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