ジョーズ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)

 2001年のオープン当初から続くUSJのメインアトラクションの1つ。映画「ジョーズ」の舞台となったアミティ・ビレッジを巡るボートツアーを再びあのサメが襲ってくる。日本版の元になったフロリダ版はハリー・ポッターのエリア拡張のため、クローズしてしまったので、単独のアトラクションとして現存しているのは(ハリウッドではスタジオツアーの一部)、これもまた日本だけになっている。

 オープン当初から大好きなアトラクションで、特に夜に乗ると、雰囲気も良くて最高だ。巨大なサメを水中から飛び出させて、乗る人を驚かせるアトラクション、こんな大変なことを実現しようという発想が凄すぎる。特に僕がお気に入りなのは、ボートハウスでの恐怖演出、しかし、実際にサメが登場する時は控えめ、「こんなものか」と思わせておいて、突然の激しい再登場と、燃料タンクの大炎上というとんでもない流れ。見事すぎる演出だ。

 だが、現状は少し残念な点が目立つ。まず、20年近く経っているから、しょうがないのかもしれないが、カットされているエフェクトが多いこと。肝心のサメが登場しないことも多い。大きくサメが登場するのは、ボートハウス、燃料タンク、高圧ケーブル、最後の黒コゲと4ヶ所あるのだけど、それぞれのカットバージョンをよく見る。というより、パーフェクトだったことが最近はほとんどない。これはかなり寂しい。

 そして、もう1つは島の景観が失われていっていること。ハリー・ポッターへの小道、ニンテンドーのエリアへの小道がジョーズの水路を覆うように作られた為、森林伐採が進んで、漁村の雰囲気がドンドンと失われているのだ。「ターミネーター」「バックドラフト」と並んで、いつリストラされてもおかしくない雰囲気がある。

 さらにもう1つ。これを言うと、完全に懐古厨なのだが、船長のレベルが明らかに下がってる。昔はアドリブやオリジナルのリアクションが多くて、本当に面白かったのに、それも年々、画一化されている。今まではベテランが多かったのが、新しいアルバイトが増えて、セリフが同じになっていくのはしょうがないと思うけど、その言い方や抑揚のつけ方も、皆まったく同じで、個性がないのはつまらない。最初の挨拶の時点で、誰もが同じ言い方なのだから、辟易する。

 ちなみにこれは余談だが、ディズニーランドのジャングル・クルーズでも同じような問題がよく挙げられている。たしかにリニューアル後、アドリブはなくなり、セリフがみんな同じになっているが、船長によってその伝え方が違って、ちゃんと個性が出ているので、僕は面白いと思っている。むしろ、アドリブ頼みで、当たり外れが大きかった以前より、より良くなっているように感じる。

 否定的な意見を多く並べてしまったが、本当に大好きなだけに悔しい気持ちが強くなってしまう。また、それだけ外側に左右される特殊なアトラクションでもあると思う(ライド自体の動き、つまり内側にスリルがあるわけではなく、その外側がメインのスリルになっている)。完全にエゴだが、「ジョーズ」は本来、もっと凄いアトラクションなんだと多くの人に知って欲しい。そして、ボートハウスで気絶する船長、ボートから身を乗り出してライフルを打つ船長、ああいう人たちにまた会いたい。

 本当にただの懐古厨になってしまった。失礼しました。


A−


絶叫番長

全国の遊園地やテーマパークを訪れ、ジェットコースターをはじめ、アトラクションのレビューをしています

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