長さ1271m/高さ44m/最高速度75km/h/トーゴ
富士急の「FUJIYAMA」、よみうりランドの「バンデット」と並んで、トーゴの三大傑作とも呼ばれる日本製のコースター。僕は関西出身なので、あまりトーゴで育ったという感覚がなく、実際に本格的にコースター巡りを始めるまではエキスポランドの「風神雷神Ⅱ」(非常に語りにくいコースターではあるが、控えめに言っても、ただ痛いだけの駄作だった)ぐらいしか乗ったことがなかった。今回、機会があって、1つの旅行で、そのトーゴ三大傑作を全て一気に制覇。思い入れフィルターなしに連続して乗ることになったのだけど、三大傑作の中でも一番存在感の薄いこのコースターが個人的には圧倒的に面白く、間違いなくトーゴ製コースターでは歴代一位だった。
まず、凄いのはそのロケーションだ。上の写真を見れば一目瞭然、コースの約半分が島から海にせり出している。池や川の上ならまだしも、本当の海の上にせり出しているのはインパクト抜群。コースター自体も八景島シーパラダイスの一番奥地にあり、周囲には他の乗り物や水族館もない。ただひたすら歩いた先にコースターだけが、ドンと鎮座しているのだ。
海にせり出した部分の支柱はコンクリートの土台に乗っている
どこか垢抜けないがそれがまた良い看板
八景島の一番奥地に位置する駅舎
園全体が綺麗に保たれており印象は良い
車両は2×2の4人乗り車両が6両編成。1993年のオープン以来、ループ等の回転エレメントがないのに、高い背もたれに肩掛けハーネスという「バンデット」と同じく日本らしい厳重装備だったが、2014年3月に車両をリニューアル。ラップバーで背もたれも低いものに変更されている。ただ、このラップバーが非常に珍しい形をしていて、クッションを抱えるような形で座ることになるので、足をクロスさせないと、バーがしっかりと下りないのは難点。もちろん、肩ハーネスよりは遥かにマシだが、座り心地はあまり良くなかった。休日の夕方ということもあり、しっかり2台運転していたのだが、人が乗っている車両が戻ってきて、全員が降りるまで次の車両には誰も乗せないというクソオペぶりだったので、全く2台で運転している意味はなかった。
「ブレイド」と名付けられている車両。カッコいい
ラップバーがかなり特殊な形をしている
コースは全長1271mと長めだが、スピーディなタイプのコースターではないので、乗車時間がかなり長く感じて、お得感がある。ドロップは全て小さく、ファーストドロップですら巻き上げの高さの半分程度しかない。その一方でコースのほとんどを水平ループが占めているので、見かけによらず結構ハードなプラスGがかかってくる。だが、同時にその間にある小さなドロップのほとんど全てで、気持ちの良い浮きがあるのは嬉しい。プラスとマイナスのGが緩急つけてやってくる見事な構成だ。
海に向かっていく巻き上げ
海上で折り返してファーストドロップへ
開放感があり気持ち良い
ファーストドロップは落差こそ物足りないが、
しっかりと浮いてくれる
その後、唯一のちゃんとしたキャメルバック
前方なら良い浮きがある
そして、2回半も回ってしまう強烈な下りの水平ループ
なんだか立体駐車場みたいだ
それを抜けると「FUJIYAMA」のサーフィンコースのような動きをする
写真で見ると地味だが、実際に乗ると結構激しくて楽しい
続いて、海上にまた出て、上りの水平ループ
「バンデット」と似たかなりハードな挙動でキツイ
小さなアップダウンで陸側に戻ると、また下りの水平ループ
飽きるか、笑ってしまうかは、あなた次第(笑)
下から見ると、水平ループが連なっていて異様な光景
こんなコース見たことない
また海側に戻って水平ルー…ではさすがになく、
ドロップしながら切り返すようなソリッドな動き
海面も近く、個人的には大好きなパート
2019年9月現在、「サーフコースター リヴァイアサン」は8月に起きた車両の追突事故(男女2人が軽傷)を受けて、長期運休している。乗り場内でのブレーキが作動せず、後続車両が追突したのだが、上記にあるようなクソオペのおかげで(と言っては皮肉がすぎるが)、停車していた車両は無人だった為、事故は大きくならなかった。つまり、ある程度、可能性は想定していたということか。
残念なことに、このコースターが八景島シーパラダイスの主力ではないこと、古いコースターでしかも海にせり出しており、維持費が非常にかかることもあって、このまま撤去されるのではないか、という声も聞かれるのが現状だ。だが、そんな悲しいことがあってはならない。何を隠そう「サーフコースター」は国産コースターの傑作なのだ。ただでさえ、日本国内のコースター数が減る中、ここまでのマスターピースまでもが消えてしまうのは辛すぎる。ここは責任をもって、復活させて欲しい。そして何より僕も、もう一度、「サーフコースター 」に乗りたい。ただそれだけだ。
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