ジェットコースター(みさき公園)

 1957年に作られた明和製のジェットコースターで、日本国内に現存するコースターとしては浅草の花やしきのローラーコースター(1953年)に次いで、2番目に古い、歴史あるコースター。汽車を模した車両は2人×3列の5両編成。ビッグサンダーマウンテンのように汽車の部分が別の1両になっている訳ではなく、1両目にくっつくような形になっている。その為、1両目がやたら長く、全体としてもボテっとしたデザインだ。安全装置がシートベルトのみ、なのは嬉しい。

 最初は1列目に、2回目は最後尾に乗ったのだが、ジェットコースターリテラシーが高い子供たちが多く、後列の方が圧倒的に人気だったのは驚いた。ホームの片面しか使われていないので、先に席を取るということができず、同行者と、片方が席を取り、片方が荷物を置きに行くという協力プレイでなんとか最後尾をゲットしたら、係のおっちゃんから「やるねぇ」と褒められた。目をギラつかせたチビっ子が悔しそうにしていたが、ここは大人の頭脳で勝利させてもらった(笑)。

 ナガシマのジェットコースターとそっくりな巻き上げ。コースが鉄橋のようなデザインになっているのが独特で、チェーンの感じや巻き上げ時の振動もそっくりだった。山の傾斜に沿って作られているので、この写真で見えている部分の倍ぐらいは巻き上げがある。手前の土地は、昔は何かしらの乗り物があったに違いないが、今はただのコンクリートが広がるだけで、かなり物寂しい。

 これはファーストドロップと言えるのだろうか。あくまでも滑り出しという感じで、S字カーブを進み、森の中へ。すると、谷があり、そこに落ちる形で、実質上のファーストドロップとなる。このコースターがまともに落下するパートはここを含めて3ヶ所しかないのだけど、森に囲まれているという視覚効果もあり、どれも驚くほどパワフルで、楽しい。子どもでも怖すぎないちょうど良い塩梅のスリルだと思う。

 その後、プールのスライダーや観覧車があるエリアを大きく左に旋回。傾斜もなく、本当に汽車の乗り物になってしまったような、のんびりとしたパートだが、海と山、自然の中を走り抜ける景色は素晴らしく、アイコニックだ。ただ、コースターに乗っていると、海を背にして走るので、あまり景色は楽しめないのだが。

 その後に今にも朽ち果てそうなトンネルがある。ここもまだ真っ直ぐだ。それを抜けると、ようやくセカンドドロップ。おそらく、このコースターで一番大きなドロップだが、山に埋もれるようにあるので、写真が上手く撮れていない。そして、山に沿うように右に曲がり、半分ぐらいのサイズのサードドロップ。どれも浮くとまではいかないが、気持ちの良いドロップだ。その後、ダブルアップのような形になり、急に右旋回して、乗り場に戻るのだが、乗り場自体が高いところにあるので、高度感があって、ちょっと飛ばされるんじゃないかというスリルがあった。ブレーキゾーンもなく、乗り場に入って行くので、その点も面白い。そして、古いコースターにしては実に静かでスムーズなブレーキ(横から挟み込む形)だったので、それも良い意味での驚きだった。


B+


絶叫番長

全国の遊園地やテーマパークを訪れ、ジェットコースターをはじめ、アトラクションのレビューをしています

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