長さ1530m/高さ55m/最高速度107km/h/最大傾斜80°
Rocky Mountain Construction/IBox Track
近年、ベストコースターに選ばれるような傑作を数多く輩出し、世界を席巻していると言っても過言ではないRocky Mountain Construction社(以下RMC)製のハイブリッドコースターがついに日本(アジア)初上陸ということで、2019年3月28日のオープン初日にナガシマスパーランドへ行って来た。この「白鯨」は、木製コースター「ホワイトサイクロン」をアップデートしたもの。ホワイトサイクロンは、経年劣化により振動がかなり激しくなり、また時代遅れな水平ループが連続するレイアウトなど、規模の大きさの割には、あまり評価されていなかった。個人的には、小さい頃から乗って来たという思い入れもあり、大好きなコースターの1つだったが、確かに近年の振動の激しさはかなりのもので、一度の来園で一度乗れば十分というぐらいだった。
オープン当日、午前中はメディア対応のため、一般オープンは12時から。園内は、コークスクリューが60分待ちになるなど、かなりの混雑だったが、全員が白鯨目当て、というわけでもなく、春休みの学生が多い印象で、ナガシマへ向かうバスの中で会話を聞いていても、「アクロバットに乗りたい」等、別のアトラクションの話題ばかりで、22日にようやく正式発表があったばかりの急なオープンということもあってかか、認知度は低いようだった。実際、待ち列でも、偶然やってるから乗ってみようという感じが強かった。ワールドクラスのコースターのオープン日しては寂しい気もしなくもないが、大混乱になるよりは遥かに良いし、これもまたナガシマらしさなのかな、と思う。
白鯨カツカレー
他にも限定メニューが色々
11時半ごろの待機列の様子
11時頃に白鯨の待機列を見に行ったのだが、まだ100人ほどしか並んでおらず、余裕をかまして、先に昼ごはんを食べることに。近くのレストランで限定メニューの白鯨カツカレーを頼んだのだけど、10分ほど待たされて出てきたのは、普通のカツカレー(汗)。注文を取ったオバちゃんのミス!そこから、また待たされて10分後、ようやく白鯨カツカレーにありつけた。そんなこんなでタイムロスをしていると、待機列が倍ぐらいに伸びていたので、慌てて白鯨カツカレーを平らげ、並ぶことに。11時半頃で、上の写真ぐらい。12時ちょうどに運転を開始し、そこから1時間後には乗れたので、予想したような混雑ではなかった。その後も、最大で120分待ちと春休みならこんなものだろうという程度。途中、12時半から優先券の案内が始まって、明らかに列の進むスピードが半減したので、2回目以降は、課金。120分待ちを3回課金したが有意義な課金だったと思う。閉園1時間前には列がかなり短くなり、優先券の販売も終わったので、30分ほど並んでラストライド。初日だが、計5回も乗れて大満足だった。
入り口のゲートは看板が変わった以外は同じ
シンプルなデザインの幕がカッコいい
待ち列もホワイトサイクロンの時の一緒
待ち列や駅舎はホワイトサイクロンのものがそのまま流用されており、目立った変化はない。ただ、待ち列の最初に優先券の発売機ができている。個人的には、時間を無駄にしたくないので、1000円課金するのも全然アリだと思う。待ち列からはコースターが走っている様子がほとんど見えないし、客層が若いと、無駄に騒いだりして、割とストレスになる可能性もあるので。
乗り場へと向かう階段の下で、一般列と優先列が合流。だいたい半々ぐらいの割合で流していたので、優先券を買ったからといって全く待たなくて良いわけではない。3回利用したが、毎回20分ほどは待つことになった。
乗車券代わりとなるリストバンド
乗り場へと向かう階段も以前と変わっていない
一般列と優先券の合流ポイントで、リストバンドを受け取る。階段を上った中段のところ、以前はライドフォトを販売していたところがロッカーになっており、事前に手荷物は全て預けなければならない。預けた後に先ほどのリストバンドをスタッフに渡すと、さらに階段を上り、乗り場へ向かうことができる(乗車後に同じロッカーに行くので、混在しないようにリストバンドがある)。USJのハリーポッターと同じようなシステムだ。手荷物チェックもその時に済ませることで、乗り場でゴチャゴチャしないので、効率アップにもつながってるし、かなり良いシステムだと思う。カメラ等は一切持って上がれないので、乗り場でコースターを撮影したりできないのは残念だが、こればかりは仕方ない。
入り口にあるテストシート
開放感あるシートだが、安全バーは意外とゴツい
車両のデザインは正直、ダサいと思う。RMC製のコースターはどれもボテっとしたデザインなのだが、その中でも群を抜いてる。この日は赤と緑が運行。車庫には黄色が止まっていた。
上の写真はテストシートなので、1人乗りだが、実際には2人×2列の6両編成24人乗り。12列目が最後尾となる。座席は選べないので、運次第だが、ロッカーがあって、そこから並び直しになるので、実際、怒られない程度に調整することはできる。コース展開が豊かなので、右に座るか、左に座るかによっても、乗り味がかなり変わってくる。個人的には左側の方が好き。あと、緑車両の方が乗り心地が良く、またスピード感もあるように感じた。この辺りの、乗り比べも楽しいので、何度も乗るのをオススメしたい。乗るたびに印象が変わる。
安全装置はシートベルトと腰のバーのみ。激しいエアタイムや回転があるのに、腰だけというのが、肩掛けが当たり前の日本で実現したのは本当に素晴らしい事だと思う。形状的にちゃんと握ることもできないので、コースター嫌いには恐ろしいかもしれない。これからも良い流れが続くことを祈っている。ただ、この腰のバーが思いの外、重く、ライド中は気にならないのだが、ライド後に自分であげるのが一苦労。ここだけが欠点。逆にいえば、ここ以外に欠点らしい欠点はこのコースターに見当たらない。本当に重いので、気をつけた方が良い。
ここからは白鯨のコースを順を追って見ていきたい。
駅舎を出た直後からいきなり浮く
実質ファーストドロップといっても過言ではない
巻き上げ前のうねうねとしたコース
この極小キャメルバックでもしっかりと浮く
いきなり逆カントまであり、大きく振られて面白い
この後、さらに小さな、極々小キャメルバックと最大4回浮いてしまう
巻き上げ前から、かなり攻めてくる
待ち列から見た巻き上げ
ホワイトサイクロンより10mほど高い
巻き上げ音がかなり大きくて、うるさいぐらい
他のRMC製コースターのPOVを見ても、確かにうるさい(笑)
最高地点での90度ターンは右側に座るとなかなかのスリル
助走した上でホップがあり、ドロップとなるので、恐ろしい浮きが生まれる
最高角80度のファーストドロップ
最後尾だと強烈な引きずり込まれ感で最高だった
他のコースが全体的に以前よりも低くなっているので、
ファーストドロップの高さがより際立つ
そして、その後のダブルアップ。
個人的にはあまり好きな動きではないが、しっかり浮く
FUJIYAMAリスペクトなのだろうか(笑)
ダブルアップからのダブルダウンという意外性のある動き
ダウンの方もしっかり浮く
そして、その間にある90度逆バンクターン
その見た目の凄まじさもさることながら、
実際に乗っても、今までに経験した事がない恐ろしい挙動だった
そして、RMCの看板エレメント、ゼロGストール
ナガシマではゼロGインバートと呼んでいる
1回転せずに、ただ逆さまに走るという滅茶苦茶なエレメントだが、
走行が安定しているおかげか、恐怖感よりも楽しさが勝る
もっと長くても良いのにと思ってしまうぐらい楽しい
なんともいえない不思議な形のターン
こちら側の渦はほとんど解体され、支柱の跡が目立っている
なんとも言い難いが、ただただ美しい曲線
特に名前がついている訳でもなく地味なパートだけど、
個人的には白鯨で一番好きなところかもしれない
そして、ゼロGロールという素晴らしい流れ
かなりのスピードでクイっと回るので思わず笑ってしまう
その後、M字型のキャメルバックがあるのだが、
その2つ目のコブが大きく左に旋回しており、体が本当に投げ出されそうになる
構えていないと体を大きくぶつけてしまう、白鯨で一番ハードなパートだ
その次のキャメルバックはゆったりしており、
白鯨で唯一、浮かないキャメルバックになっている
その後、また逆カントのキャメルバックがある
そして、もう一度、ゼロGロールがあるが、先ほどに比べると随分マイルド
公式ではコークスクリューとなっているが、そこまで径は大きくない
最後に木組みの中でキャメルバックがあり、フィニッシュ
木組みの中はかなり広く、残念ながらヘッドチョッパーにはなっていないけど、
最後の最後までしっかり浮くので楽しい
動画では散々見てきて、待望だったRMC製ハイブリットコースターについに初乗車となったのだけど、想像していた以上にスムーズで驚いた。走行音もほとんどなく、滑るように駆け抜けていく。逆にいえば、木製コースターらしさがここまでなくなってしまうのかという、ちょっとした寂しさもあるのだが、それと引き換えに得た、とんでもないエアタイムの連続、激しいのだけど、爽やかなコース展開と美しいエレメント。怖さよりも楽しさがいつの間にか優ってしまう素晴らしいコースターだった。スペック的な凄さだけに収まらない、乗りながら、笑いが止まらない、これ以上なく楽しいコースターに仕上がっている。日本国内では、間違いなくNo.1のコースターだろう。そして、個人的に、今まで乗ったコースターの中でもNo.1になった。
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