浜名湖パルパル　エントランスゾーン

長さ900ｍ／高さ38ｍ／最高速度82ｋｍ/ｈ／最大傾斜60°

トーゴ／メガコースター

　浜名湖パルパルに入場してすぐ左にあるエントランスゾーンにあツイストダイブとハートラインロールという珍しいエレメントを有した中型コースターで、トーゴ製コースターとしては後期のものとなる。この日の浜名湖パルパルは、家族づれや小中学生のグループで大混雑。このコースターも、入口から入って一番近くに乗り場があることもあり、午前中はかなり混雑し、待ち列も伸びていた。昼からは奥のエリアに人が分散したこともあり、1周待てば乗れる状況になっていたので、人の流れとは逆に奥のエリアから攻めていくのが、この遊園地のコツと言える。それだけ朝の間はエントランスゾーンに人が滞留しやすい。同じエリアにあるミニコースターも同じ対策で良いと思う。

　コースやライドの構造は基本的にFUJIYAMAと同じのようだが、回転エレメントがあるため、こちらには肩ハーネスがついている。この肩ハーネスは、パタンと下ろすのではなく、スペースワールドのヴィーナスのように真っ直ぐおりてくるタイプ。このタイプは肩とハーネスの間に余裕が生まれないので、ホント苦手。特に車両の後部座席だと、前の座席との距離も近く、背もたれも高いので、かなり窮屈だ。2×2の5両編成と編成は短めだが、炎を模したようなデザインはカッコいいと思う。

　高さは38ｍと意外に高い。周囲の風景、浜名湖や山々の景色が美しく、巻き上げの間は、気持ちが良い。最高点で左に180°折り返すと、ファーストドロップ。最大傾斜が60°もあり、迫力があって驚いた。特に後方に乗車した時は、激しい浮きが感じられた。USJのジュラシックパークに近い浮きの感覚。浮いているというより、床が消えたという感じ。これは意外だった。だが、気持ちいいのはそこまで、ここからは、かなりの拷問器具ぶり。まず、右に大きくブーメランターン。見た目はスムーズそうだが、実はこれがかなりハード。尋常じゃない振動が襲ってきて、ハーネスに頭をぶつけまくった。最初の浮きで油断していてはいけない、ここから先はハーネスから手を離すのは厳禁だ。

　そして、最初のエレメント、ツイストダイブとなる。ブーメランターンから角度の浅い長い上り勾配があり、ツイストダイブへと向かっていくのは、視覚的にもドキドキさせられた。上りきると、そのままクルッと上下半回転、ハーフループを下る形となる。意外だったのが、半回転してからしばらく上下逆さまのまま走ること。面白いけど、肩のハーネスに全体重がかかるので、かなりキツかった。ループを降りると、立て続けに左へ大きく旋回、270度の水平ループなのだが、この直径がスピードに対して、どう考えても小さすぎる。Gが強く、また横に振られて耳をハーネスにガンガンぶつけるので、一瞬クラっとしてしまうレベルだった。更に間髪入れずにハートラインロールとなる。本当にハードだ。ハートロールラインは言うなればウルトラツイスターと同じ動きで、先ほどのツイストダイブでは半回転しかしなかったのをクルッと一回転する。ウルトラツイスターだと、そこまで気にならなかったのだが、ここでもまた肩のハーネスに全体重がかかり、上下逆さま走行をしているように感じられる時間が一瞬あった。見た目には面白いが、正直、ここまで来るとあまり楽しくない。だが、四次元はまだ休ませてくれない。この後にとどめの水平ループ（しかも、2回転）が待っている。下りの水平ループだったのが唯一の救いだろう、これがもし上りの水平ループだったなら、間違いなく昇天してしまっていたに違いない。

　この四次元は、ファミリー向けの戦略を打ち出し、アトラクションも穏やかなものが多い浜名湖パルパルにおいて、まさに異物とも言えるまでのハードさを提供している。というよりも、浜名湖パルパルが多くの絶叫マシンをファミリー向けアトラクションに切り替えてきた中で、葬られずに済んでいる最後の砦とでもいうべきか。だが、あまりにも乗り心地が悪く、プラスGに翻弄されるばかりコース展開なので、個人的には、脳みそがシェイクされるだけのような気がしてキツかった。

B−

エントランスの建物と乗り場が一体化している

後付け感がハンパない看板

コースの紹介がされている

遠目に見ると、FUJIYAMAそっくり

実際には肩ハーネスがあり、背もたれがかなり高い

美しいファーストドロップ。エントランスの建物から出ると、
これが次第に見えて来るのは、テンションが上がる

実はハードなブーメランターン

ツイストダイブへ向かう緩やかなの上り勾配
「死への道」とでも名付けたい

園内からだと少し遠いツイストダイブ

駐車場からだと間近で見られる
メンテナンス用の足場がイカつい

意外と高い位置にあるハートラインロール

この辺りになると助けてくれ、と叫びたくもなる

二重の水平ループ。最後までハード。

山の方にあるエリアから見た全景